コラム

保険診療でのPGT-A検査対象拡大について

日本でPGT-A検査を先進医療として認められているクリニックは、まだ数少なく、ほとんどのクリニックが自費で治療を行っています。しかし、PGT-A検査をされる患者様は『反復する体外受精妊娠不成功』または『反復する流死産』を経験されている方が多く、今までの治療で既に高額な医療費をご負担されています。さらに、PGT-A検査をしても移植できる正常胚が得られない場合には複数回採卵をチャレンジすることになり、金銭的にも、精神的にも大きな負担が患者様にかかっているのが現状です。

実際に当院に転院されてきた患者様の中にも、他院でPGT-A検査を行ったが移植できる胚が無く、再度高額な自費での体外受精をするのは費用的にも難しくお子様を諦めようと思ったと仰っている患者様もおり、大変心苦しく、現状を痛感致しました。

現在当院におけるPGT-A検査後に移植できると判断された正常胚の移植当たりの妊娠率(胎嚢確認)は66.6%です。この妊娠率をみると今まで妊娠できなかった方が、正常胚を移植すれば高確率で妊娠を期待できると考えられます。

このことから、保険で6回または3回の胚移植の権利を使い切る前にPGT-A検査に移行した方が良いのではないかと考えるようになりました。

ここで問題になるのは保険診療と自費診療での検査は混合診療になることです。

でも、悩まれている患者様のお力になりたい!

そこで慶愛クリニックでは2024年12月より日本産科婦人科学会の規定を厳守した上で、当院に通院されている患者様限定で保険で採卵できる回数が残っていて、保険で凍結した胚がない場合に限り、PGT-A検査の費用は院長竹原が負担し、本来保険診療ではできないPGT-A検査を保険診療の体外受精の中で行って参りました。

新しい試みを半年以上行い、今まで妊娠されなかった方が妊娠に至り、喜びのお声をいただいている中、更に多くの患者様のお力になりたいという思いが強くなりました。

そこでこの度、23区内在住の方に限りますが、これから当院に通院を考えられている方も対象とさせて頂きます。本当は患者様全員に行いたいのですが、検査費用を院長竹原個人が負担致しますので、人数に限りがあり、対象の患者様を限定させて頂きます。

下記対象に該当するか確認の上、体外受精相談会にご参加ください。相談会のご予約はお電話にて承ります。日程はHP・Instagramにてご確認下さい。

※対象※

・23区内在住(相談会で住民表を確認させて頂きます)

・日本語が話せる方

・反復する体外受精胚移植不成功(胎嚢確認ができない状態)が過去2回以上ある方もしくは反復する体外受精胚移植での流死産(胎嚢確認後)が過去2回以上ある方

・紹介状を持参できる方(体外受精胚移植不成功の回数や体外受精胚移植での流死産での回数が確認できるもの)

・保険診療の回数が残っていること

・他院に保険で採卵した凍結胚がないこと

・体外受精相談会に参加できる方

※体外受精相談会に持参していただく物※

・住民票(続柄記載があるもの。世帯が別の方は戸籍謄本もご準備ください。)

・紹介状

・1年以内の血液検査データ

HIV・梅毒(TP・RPR)・B型肝炎・C型肝炎・クラミジアIgA・クラミジアIgG・PRL・TSH・AMH・風疹抗体価(HI)・RH式血液型・精子不動化抗体

※血液検査結果で不足している項目はこちらで初診時に採血させて頂きます。

院長 竹原 祐志