不妊検査

不妊検査

ヒューナーテスト

ヒューナーテストとは、排卵時期に性交渉をして、当日、もしくは翌日に女性の頸管粘液を少量採取し、その中に精子が存在するか、状態がどうかを顕微鏡で確認します。頸管粘液の中に、運動している精子が一定数以上存在すれば、ヒューナーテスト良好と診断されます。ヒューナーテストの結果が不良な場合には、人工授精へのステップアップを推奨しています。

AMH(Anti-mullerian Hormone:抗ミュラー管ホルモン)検査

AMHとは、発育過程にある卵胞から分泌されるホルモンで、女性の卵巣予備能を知る指標になると考えられています。
AMHの測定値と発育卵胞の数は相関します。従って、AMH濃度を測定することによって、残存する卵胞の数を測定し、卵巣予備能がどれくらいか推定することができます。AMHの測定は、最も早く正確に卵巣予備能の低下を感知できる検査と考えられます。AMH低濃度では自然排卵が起こりにくい傾向にあり、卵巣内の発育卵胞数を知ることによって適切な排卵誘発法を選択することができます。

精子不動化抗体検査

精子不動化抗体とは、精子を攻撃する抗体のことで、精子不動化抗体と精子が結合してしまうことで精子は運動を停止させてしまいます。精子不動化抗体は女性の頸管粘液、子宮腔、卵管などの中に存在します。この抗体によって、精子が動けなくなります。一般的には、精子不動化抗体があると自然妊娠は難しいとされています。

精液検査

精液検査は、不妊治療の第一段階として男性が受ける基本的で重要な検査です。精液の量や精子濃度、運動率、正常形態精子率などを、顕微鏡を用いて検査します。また当院では、採精した精子の状態を、顕微鏡に繋げたモニターで実際にご覧いただくことができます。精液検査に使用する精子は、2〜5日程度の禁欲(射精しない)期間をもち、マスターベーションによって採精します。禁欲期間が短いと、精子濃度や精液量が減少、長すぎると運動率や正常形態精子率が低下することがあります。精子の状態によって治療方針が変わりますので、これから不妊治療を行うご夫婦はこの検査を受ける必要があります。

以下は、WHOの定める自然妊娠が期待できる精子所見の基準値となります。

WHO基準値(2021年)

項目基準値
精液量1.4ml
濃度1600万/ml
運動率42%
正常形態精子率4%
この基準値は、避妊中止後1年以内に、パートナーが妊娠した男性の下位5%のデータであり、平均値というわけではありません。

精子クロマチン構造検査

精子クロマチン構造検査では、顕微鏡下では判断することができない精子DNAの損傷率(DFI:DNA断片化指数)を調べます。精子のDNAは、酸化ストレスや高温、喫煙などの生活習慣が原因で損傷すると考えられており、男性不妊の方では、クロマチン(DNAとタンパク質の複合体)の欠陥を持つ精子の割合が多いと言われています。この検査は、そのような異常なクロマチンを持つ精子の度合いを検出する方法です。通常の精液検査で異常がない方でも、精子のDFIが高い場合、受精率・妊娠率が低下したり、流産率が上昇したりすると言われています。検査結果は、人工授精や体外受精などの治療法の判断材料や、不妊原因の追究につながります。

検査内容

  1. 精子は、クロマチンが正常、損傷、未熟の違いで異なる色に染め分けられます。
  2. 染め分けた精子が何色であるかを測定し、色ごとに青い点で表示されます。
  3. 精子の数を領域別に計測します。

株式会社北里検査センター精子クロマチン構造検査 – 北里検査センター KITAZATO BIOLABORATORY (kitazato-biolab.com)

精子抗酸化力検査

この検査では、精子の抗酸化力(酸化ストレスから細胞を守る力のこと)を検査します。酸化ストレスにより、精子はダメージを受け、DNAが損傷します。DNA損傷精子が多くなるほど受精率や妊娠率は低下し、流産率が上昇してしまうと言われています。酸化ストレスの状態も顕微鏡下で判断することができません。よって濃度・運動率が正常であっても、良好な精子が少ない場合があります。見た目で判断できない精液の「質」を検査するのが抗酸化力検査です。抗酸化力検査は、精子への影響に配慮した体内環境づくりのために、生活習慣やサプリメントの摂取などを考えるきっかけとなり、不妊治療の結果の向上に役立ちます。

卵管造影検査

子宮内に造影剤を注入し、子宮の形や卵管の通過状態、および卵管周囲や骨盤内の癒着の状態を評価する検査です。治療方針の決定に役立てるために行います。当院では、日原医院で検査を行っていただきます。(当院非常勤 日原華子医師)

子宮頸がん細胞診

子宮頸部の組織を採取して検査を行います。不妊治療中は自治体や職場の検診も利用し、年1回は受けるようにしてください。検査結果より精密検査が必要となった場合は、当院非常勤の田中京子医師によるコルポスコープ(膣拡大鏡)を使っての組織診を行っています。

料金表

精液検査費用3,300円
精子クロマチン構造検査(SCSA)7,700円
抗酸化力検査7,700円
精子凍結費用1本につき5,500円
凍結精子保存費用導入時13,200円
凍結精子保存延長費用1年間毎13,200円
ヒューナーテスト550円
末梢血検査WBC / RBC / HGB / HCT / PLT330円
高プロラクチン検査1,320円
甲状腺ホルモン検査(TSHのみ)1,760円
風疹抗体検査880円
Rh式血液型検査330円
AMH検査7,700円
精子不動化抗体検査9,900円
G-Band染色体検査38,500円

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