胚凍結・胚融解について
胚盤胞は胚の状態に応じて融解後にアシステッドハッチング(卵子孵化補助法)を行います。
胚凍結・胚融解
胚凍結は現在の主流である超急速ガラス化法を用いています。そのまま凍結すると、細胞内の水分が氷の結晶となり体積が増加するため、細胞膜や細胞構造が破壊されてしまいます。超急速ガラス化法は、胚に凍結保護剤を浸透させた後、ガラス化液につけて細胞内の水分を抜き、-196°Cの液体窒素に瞬時に入れて急速に温度を下げることで胚をガラス化(非結晶化)させ、細胞の破壊を防ぎます。凍結した胚は-196°Cの液体窒素タンク内で保管します。胚融解は液体窒素から胚を取り出し、37°Cの融解液に瞬時に入れて胚を融解し、平衡液につけて凍結保護剤を除去します。融解した胚を培養液に移し、胚の回復を確認します。
アシステッドハッチング(卵子孵化補助法)
自然妊娠では、胚盤胞は拡張と収縮を繰り返しながら大きく成長し、胚の外側を覆っている透明帯から脱出(孵化)して子宮に着床します。アシステッドハッチングは、胚が着床できるように透明帯からのハッチング(孵化)を補助する方法です。レーザー照射で透明帯の一部を薄くしたり穴を開けたりするのが主流ですが、当院では、レーザー照射後にピペットという細い管で胚を吸い吐きし、透明帯を完全に除去します。胚盤胞のどの部分からでも子宮内膜への着床が可能となるため、妊娠率の向上に繋がっています。