EndomeTRIO検査(エンドメトリオ検査)
EndomeTRIO検査とは?
子宮内膜の状態を解析する3つの検査、
- ERA検査(子宮内膜着床能検査)
- EMMA検査(子宮内膜マイクロバイオーム検査)
- ALICE検査(感染性慢性子宮内膜炎検査)
のことを示します。
① ERA検査(子宮内膜着床能検査)
原因不明の反復着床不全(良好な受精卵を複数回移植しても妊娠に至らない場合)の原因として子宮内膜の【着床ウィンドウ】が一致していないという報告が2014年にスペインのIVI Valenciaという施設から発信されました。【着床ウィンドウ】つまり子宮内膜に受精卵が着床できる時間や時期は個人差があり、適切な時期に移植することにより妊娠が可能になるのではないかと考えられています。ERA検査とは着床能に関与する遺伝子の発現プロファイルを高感度で検出し、分析する検査です。子宮内膜の着床能のタイミング評価をすることができ、自分の着床ウィンドウを知ることができます。分子生物学的ツールとして次世代シーケンサーを用い、子宮内膜の着床能に関連する236個の遺伝子の発現レベルの分析を行います。具体的には、子宮内膜の組織検体から抽出したRNAを次世代シーケンサーによって解析し、遺伝子の発現プロファイルから受容期(Receptive)・受容期前(Pre-Receptive)・受容期後(Post-Receptive)に分類します。この結果から適切な時期に移植することが可能になります。
② EMMA検査(子宮内膜マイクロバイオーム検査)
近年、子宮内膜にはラクトバチルス属の菌が子宮内の常在菌として存在し、子宮内の環境を良い状態に保っていることが分かってきました。ラクトバチルスは乳酸を作り、この乳酸は膣内の雑菌の繁殖を防ぎ、病原体を死滅させる効果があります。2016年、Igenomix社が子宮内膜における常在菌の種類と割合を調整し、ラクトバチルス属の菌が90%以上を占める人は、そうでない人と比べて妊娠率・妊娠継続率および生児出産率ともに高い割合を示すことを発表しました。このことから、ラクトバチルス属の菌の割合によって、妊娠率・生児獲得率に大きな差があることが示唆されます。EMMA検査では、子宮内膜の細菌の相対量、ラクトバチルスなどの細菌の割合を測定し、子宮内の環境が受精卵を受け入れるために最適な状況であるかを確認するための検査です。
③ ALICE検査(感染性慢性子宮内膜炎検査)
慢性子宮内膜炎は主に、細菌性病原体が子宮内に感染して起こる子宮内膜の持続的な炎症です。慢性子宮内膜炎は不妊症女性の約30%、反復着床不全及び不育症女性の60%が罹患しているといわれています。ALICE検査は慢性子宮内膜炎の原因となりうる細菌を検出する検査です。報告書に基づいて検出された病原菌に対して適切な抗生剤治療を行う事を可能とします。
検査の方法と結果
凍結胚が保存されている状態で、自然周期での偽融解胚移植周期をつくります。子宮内膜が胚の着床に適していると考えられる日に、細い管のようなものを無麻酔下で挿入し子宮内膜組織を採取します。痛みは子宮体がん検診に似ているという声が多いですが、個人差があります。3つの検査は一度の内膜組織採取で検査することが可能です。採取した子宮内膜組織は、検査会社(Igenomix社)へ送り、約3週間で検査結果が得られます。ERA検査の場合は、結果が範囲内であれば再検査は不要です。範囲外であった場合は、次周期以降に再検査を行う場合があります。また検査が適切に行われていても、検体不良によって遺伝子解析が困難な場合は再検査になる可能性があり、一定の確率で再検査になってしまうことがあります。
対象の患者様
当院で体外受精をされている患者様限定
- 反復着床不全(2 回以上)を経験した患者様
- 化学流産を繰り返している患者様
詳細説明は以下のwebサイトご覧ください。
料金表
子宮内膜受容能検査 | (ERA) | 132,000円 |
---|---|---|
子宮内細菌叢検査 | (EMMA/ALICE) | 66,000円 |
PFC-FD(血小板由来因子濃縮物-凍結乾燥)療法
PFC-FD療法とは
私たちが怪我をし、治っていく過程で大きく関わっているのが血小板になります。血小板は組織修復を促進する物質を供給し、傷んだ組織を治そうとする働きをします。血液を必要量採り、特殊な技術で血小板が多く含まれる部分のみ抽出したものが多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)です。PRP中には成長因子が高濃度に含まれています。PFC-FDは成長因子を高濃度に含んだPRPから「成長因子」のみ抽出・濾過して無細胞化し、凍結乾燥したものです。
子宮内注入
成長因子の自己組織修復、抗炎症作用などを促す働きを活用し、子宮内膜の組織修復が促進されて子宮内膜が厚くなることや、反復着床不全の要因とされている子宮内膜炎を緩和する効果が期待されています。
卵巣内注入
卵子の質を向上させる成長因子や、卵胞発育を促進する複数の成長因子が含まれているため、卵巣内に注入することで卵子の質の改善や、卵胞発育促進(成長因子と卵巣に針を刺すことによる物理的刺激の双方によるもの)が期待されています。
スケジュール
血液検査にて感染症、血算、凝固を調べさせていただきます。問題がなければ、次回来院時に採血を50ml行わせていただき、採血後、検査会社(CellSource社)へ送り加工され、凍結乾燥された状態で約3週間後に当院へ届きます。凍結乾燥されたPFC-FDの有効期限は6ヶ月となります。状態により作製できない事もあります。
子宮内
人工授精周期、凍結胚移植周期の月経10日目前後(1回目)と月経12日目前後(2回目)に経膣超音波にて内膜を測定し、子宮内腔に注入します。新鮮胚移植周期ではPFC-FD療法は行うことができません。
卵巣内
卵巣への注入は生理周期のどの時期にも行うことが可能です。採卵の際と同様に、経膣超音波を用い卵巣を確認しながら、無麻酔下で細い針を片側のみの卵巣に直接刺して少量ずつ1〜数カ所(卵巣の状態によって決定)に分けて注入します。経膣超音波にて卵巣位置が不明瞭なときには行うことができません。
対象
- 当院に通院されている患者様
- 人工授精、凍結胚移植を予定されている患者様
- 良好胚を移植しても着床されない患者様
- 子宮内膜が厚くならない患者様
- 卵胞がなかなか育たない患者様
- 良好な卵子がとれない患者様
対象外
- 血球検査によりヘモグロビンの値が10g/dlに満たない場合
- 血小板数が100000/μLに満たない場合
- がん治療中の場合
- 抗凝固薬、非ステロイド性消炎鎮痛薬を使用している場合
- HBV,HCV,HIV,梅毒,HTLV1の感染が陽性である場合
- その他、医師が対象外と判断する場合
詳細説明は以下のWebサイトをご覧ください。
ブライダルチェック
女性
ブライダル基本 A | 問診・超音波検査・貧血検査・子宮頸がん細胞診(結果は後日お伝えします) |
---|---|
ブライダル A(細胞診無し) | 問診・超音波検査・貧血検査 |
ブライダル B ホルモン検査 | E2・LH・FSH・PRLの4つのホルモン採血(結果は1時間程で出ます。卵巣機能が心配な方にお勧めです) |
ブライダル C 感染症検査 | 梅毒検査・B型肝炎抗原検査・C型肝炎抗体検査 HIV 検査・クラミジア検査 |
ブライダル AMH検査 | 卵巣の予備能力を見る検査です |
男性
ブライダル C 感染症検査 | 梅毒検査・B型肝炎抗原検査・C型肝炎抗体検査 HIV 検査・クラミジア検査 |
---|---|
ブライダル D 精液検査 | 液量・精子濃度・運動率・正常形態率 |
料金表
女性のブライダルチェック
A 基本検査 | 問診/超音波検査/貧血検査/ 子宮頸がん細胞診(結果は後日お伝えします) | 16,500円 |
---|---|---|
B ホルモン検査 | E2,LH,FSH,PRLの4つのホルモン採血 (結果は1時間程で出ます) | 13,200円 |
C 感染症検査 | HBs抗原 / HCV抗体 / HIN / TPHA / RPR クラミジアIgG・IgA(結果は後日お伝えします) | 20,900円 |
AMH検査 | 卵巣の予備機能をみる検査(結果は後日お伝えします) | 7,700円 |
A 基本検査 + B ホルモン検査 を同時に行場合 | 27,500円 | |
A 基本検査(細胞診無し) + B ホルモン検査 を同時に行場合 | 22,000円 | |
A 基本検査 + C 感染症検査 を同時に行う場合 | 35,200円 | |
A 基本検査 + B ホルモン検査 + C 感染症検査 を同時に行う場合 | 46,200円 |
男性のブライダルチェック
C 感染症検査 | HBs抗原 / HCV抗体 / HIN / TPHA / RPR クラミジアIgG・IgA(結果は後日お伝えします) | 20,900円 |
---|---|---|
D 精液検査 | 液量 / 濃度 / 運動率 / 正常形態精子率 | 5,500円 |
C 感染症検査 + D 精液検査 を同時に行う場合 | 24,200円 |
妊婦健診
当院体外受精にて妊娠された方で東京都内にお住まいの方は、ご相談の上、約30週頃まで妊婦健診を受けることも可能です。慶應義塾大学病院、聖母病院、都立大塚病院のセミオープンシステムも取り入れております。中期スクリーニング検査は、当院非常勤の田中守医師による最新鋭の機械を使っての精密な超音波検査や4Dエコーも行っています。また、出生前診断NIPTをご希望の方は臨床遺伝専門医峰岸一宏医師へご紹介することも可能です。
感染症検査
料金表
感染症セット | HBs抗原 / HCV抗体 / HIV / クラミジアIgG・IgA / TPHA / RPR | 7,700円 |
---|---|---|
HBs抗原(B型肝炎) | 2,200円 | |
HCV抗体(C型肝炎) | 1,650円 | |
HIV | 5,500円 | |
HIV抗体1&2 | 再検査の時 | 3,300円 |
クラミジアIgG・IgA | 3,300円 | |
TPHA抗体RPR(梅毒) | 1,100円 | |
RPR定性 | 550円 | |
トキンプラズマ IgM抗体 | 2,750円 | |
トキンプラズマ IgG抗体 | 2,750円 |
ご予約Reserve
ご予約はお電話とWeb予約にて受け付けております。
お急ぎの場合は電話にてお願いします。
お問い合わせフォームよりのお問い合わせへの回答はお時間をいただく場合がございます。